(読書)仕事とは本来強制されるものではない「好きなようにしてください」がビジネス本として秀逸

この本は、読者からの仕事に関する質問に著者が答える形で進める方式のエッセイの本です。
ビジネスにおいては結論が大事という事が良く言われると思います。しかし、この本の結論は決まっています。
それは、

「好きなようにしてください」

ということ。すごい本だな、と思ったのですが「なぜ」好きにした方がいいのかということや質問者の状態を読み取って「どのように」好きにしたらよいのかというアドバイスもきっちりしています。

ゆるい文体で書かれているので、スナック感覚でサクッと読める割にはなぜか心に残る不思議な本です。

 

 

新社会人の「ベンチャー」に入るべきか「大企業」に入るべきかや天職時に「やりたいこと」を優先するか「待遇」を優先するか。はたまた産休明けの女性が階級を下げられ、「今の会社に残るべきか」それとも「転職すべきか」という問題もあります。

こういったありがちなシチュエーションに対して著者である楠木健さんが痛快に「好きなようにしてください」と斬っていく内容に「なるほど!」と思わされること請け合いです。

私が好きなのは仕事の十箇条です。これに楠木さんの仕事観が現れています。かなり面白い。
・「仕事と趣味は違う」の原則
・「自己評価はなしよ」の原則
・「客を選ぶのはこっち」の原則
・「誰も頼んでいないんだよ」の原則
・「向き不向き」の原則
・「次行ってみよう(但し、近場で)」の原則
・「自分に残るのは過程」の原則
・「仕事の量と質」の原則
・「誘因と動因の区別」の原則
・「無努力主義」の原則

仕事に悩む人にはこの十箇条を薦めたい。電通の社員さんはは鬼十則よりもこちらを参考にした方が良いと思います。但し、組織や会社目線でみるとあまり好ましい考え方ではないとも思います。
自分自身は悩んだときに読み返すようにしています。