中国のGDPは信用できない!?GDPの定義とその限界

GDPの議論では古くから議論されているので一定の答えは出ているらしいのですが、私にとっては非常に新鮮で面白いものだったので紹介したいと思います。

GDPとは

国内総生産のこと。GDPが高いと幸せかどうかというのはもうすでに古い議論らしい。
「基本的にはGDPが高い国であるほど生活に関わる諸問題を解決する能力が高いので、GDPが高ければ高いほどその国の人々は豊かである可能性が高い」ということで一応の結論をみているとか。

GDPを式で表すと下記になります。

GDP=C(消費)+I(投資)+G(政府支出)+(EX-IM)(純輸出)


物を作って売る時に出ていくお金(C+I+G)と、国ごとに計測しているので、輸出分(EX-IM)も足しこむというイメージです。

これってマイナスされる項目がIMしかなくない?物が壊れたりしたらどうするのさ?

う、それはGDPには反映されませんね。

それじゃ、GDPは豊かさを測る指標って言えなくない?

色々問題はあるけれどもGDP以外に良い指標がないというのが実情なんじゃ。

中国とGDP

例えば建物を建てたとします。その建物が質が悪く、すぐに倒壊してしまってもGDPの数値は影響を受けません。GDPがマイナスされることはないのです。

さらには、その建物を立て直した場合にはかかった費用がGDPにカウントされるため、壊れやすいものを作ったほうがGDPが上昇するということになります。

壊れるものを作りまくったら、GDPはあがるんじゃねぇの?

う、それでもGDPはあがりますね。

壊れやすいものを作って作り直したほうが、GDPは上昇し国を良く見せることができます。
直近の中国GDPは急上昇していますが、製品の質は問われないため、もし中国が質の悪い商品を大量に生産していたら、中国GDPは国の実態を正確に反映したものではないかもしれません。

GDPを代替する指標

GDPから固定資本の減耗(=減価償却、摩耗、陳腐化、損傷、老朽化)を控除した指標がNDP(Net Domestic Product)というものです。

米国商務省のNDPへの指摘は「NDPは理論的にはGDPよりも望ましい指標だが、固定資本の減耗に関して実際に使用可能な納得できる定義がないという重大な欠点がある。」というものです。

ある建物が”いくらぶん”壊れたかはわかりにくいですものね。